不況によりリストラや賃金カットで家賃滞納も年々増加の傾向にあるようです。
入居審査の時は問題なくても、月日が経てば経済状況も一変します。
ある大手管理会社の統計によると、若者が集中する城西エリア(新宿区、中野区、杉並区、豊島区内)の単身者用賃貸アパートでの滞納率は10%を超える月もあるようです。
その内7%の賃貸人は遅れて支払うようですが、3%前後は1ヶ月以上滞納が発生するそうです。
その後、督促をおろそかにすると2ヶ月、3ヶ月とまたたく間に増えていき、回収が困難な状況となっていきます。
かといって、1ヶ月滞納しただけで部屋から退去を求めることは、賃借人は借家法で守られていますのでなかなか実行はできません。
ましてや、大家さんが部屋の鍵を勝手に交換して賃借人が部屋に入れなくしてしまうなどは、逆に訴えられてしまいます。。
1. 敷金を2ヶ月以上とる。(滞納したときの担保として)
2. 入居審査を厳格にする。
3. 賃借人に保証会社に加入してもらう。
※保証会社:通常は賃借人が保証人をつける代わりに、賃料の5〜50%程度を支払って保証会社と契約を締結する。万一滞納があった場合、保証会社が大家さんに家賃を保証してくれる。
4. クレジットカード払いにする。(一部大手管理会社で実施)
5. 滞納を発見したらできるだけ迅速に督促する。遅くなるほど被害が大きくなる恐れ有り。
郵送ではなく、本人に会って話をすることが大切です。理由を聞いた上で、期限を決めて支払いの約束をする。
6. 保証人に通知する。いきなり保証人に督促ではなく、はじめは連絡のみ。
協力的であれば回収見込み有り。
上記で一番効果が高いのは3の保証会社に加入で、都市部では利用率が増加しています。
保証会社が破綻してしまったらというリスクも若干ありますが、加入しないよりはしてもらった方が安心ですね。
賃借人が保証料を支払うので、基本的に大家さんの負担はありませんし。また、信用状況の悪い方は保証会社から加入をお断りされますので、そういった方の入居を未然に防止できる点も良いと思います。
滞納者の支払見込みが無く、保証人の督促も不調の場合、最終手段として明け渡し訴訟があります。
手順としては、
1. 原則、滞納が3ヶ月以上
2. 内容証明郵便により、 到着後1〜2週間以内に支払いがないときは、契約を解除するという通知をする。
3. 支払いがないときは契約解除の通知をし、同時に退去の要求をする。
ここまでは管理会社かもしくはご自分でも何とかできると思いますが、本格的な訴訟となると専門家に依頼した方が無難かと思います。
東京地区での参考ですが、弁護士の費用が30〜50万円、訴訟定期から強制執行まで、すんなり行けば約3ヶ月くらいです。明け渡し時に荷物の残地物の片付け等を含めると70〜80万円くらいかかるケースもあります。
いずれにしても訴訟となれば高額の費用と時間がかかりますので、このような状況になる前に滞納者の早期発見、早期解決が肝心です。