「渋谷区内のアパート投資物件、3000万円代、築10年、利回り12%」 上記のような広告を見たら、まず10人中9人の方は欲しいと思われるでしょう。 ただ、物件探しに少し慣れてくると、 「そんなうまい話はない。きっと何かワケがあるのだろう。」 と疑問に感じるようになれば、投資家としてほぼ合格といえます。
不動産のチラシに「再建築不可」とか「告知事項あり」等の文言を見つけたらいわゆるワケあり物件であり、その物件は必ずしも格安物件とは言い切れません。
再建築不可とは、文字通り建築法令上は再建築ができない違法建築の物件ということです。 なので、銀行ローンはまず付きません。建物に違法性があるかどうかは重要なことなので、不動産広告に必ず明記して欲しいことなのですが、残念ながら明記されていないこともあります。 相場より極端に安い物件を見つけたら、広告を出している業者さんに、なぜ安いかを確認することが大切です。良心的な業者さんであれば、きちんと理由を説明してくれるはずです。
告知事項ありとは、過去に入居者がアパート内で自殺をするなど、事件・事故があった物件です。 売買契約時の重要事項説明書には、必ず告知事項として明記しなければいけないことなのですが、はじめから分かっていれば検討しなかったという方も多いので、最近では広告にも明記することが増えてきました。 ちなみに、事件・事故の度合いにもよりますが、現状において通常通りアパートとして機能していればローン付けが可能な金融機関もございます。
上記のような物件はローンが付かない、もしくは付きづらい等の理由から、価格は相場よりかなり安く取引されています。
不動産に掘り出し物は無いとよく言われますが、市場に出てこないだけで実際には掘り出し物はあります。
売主の事情で急いで現金化せざるをえない場合がほとんどです。では、どうして市場にでてこないのでしょうか?
理由は簡単です。そういった転売しても利益が出る物件は不動産業者が買い取ってしまうからです。買い取った後、利益を乗せて相場の価格で市場に出てきますので、その時点で掘り出し物ではなくなってしまうのです。
どうしても掘り出し物が買いたいという方は現金を用意して不動産業者に対抗しなければいけません。「ローン条項を付けて契約したい」などの要求は通らないと思ったほうがよいでしょう。
現実的には相場より20%以上安ければ掘り出し物といえますが、実際の取引では滅多になく、10%以上安ければ良い買い物といっていいのではないでしょうか。